テックメディアTechCrunchが主催するDisrupt 2023では、元NBAスターであり、スタートアップへの投資家としても知られるシャキール・オニール(通称シャック)が、パネルディスカッションに登壇しました。
このパネルディスカッションでは、シャックが投資するEdtechスタートアップ「Edsoma」のCEOとの対談が行われました。
今回の記事では、この対談の要点をご紹介します。
対談の動画は以下からご覧いただけます。
(※当記事内の画像は全て、この動画からの出典となります。)
Contents
パネルディスカッション概要
タイトル
Shaq's Investing in Educational AI With Edsoma, Learn Why
(シャックはなぜ教育AI Edsomaに投資をしたのか)
登壇者
- Shaquille O'Neal (NBA Super Star 中央)
- KYLE WALLGREN (Edsoma, CEO 右)
- Mathhew Panzarino (TechCrunch, 司会 左)
内容
シャックが投資に興味を持ったきっかけ
シャックが投資に興味を持ったきっかけは、1997年前後に参加したテックカンファレンスです。
元Amazon CEOのジェフ・ベゾスの、以下言葉が彼に強い影響を与えました。
「世の中を変えるものに投資せよ」
この言葉は元NBAスーパースターにも深い影響を与え、シャックは、以下のように考えるようになりました。
「人々の生活を変え、社会に良い影響をもたらすプロジェクトに投資をしよう」
シャックが投資したEdsomaとは?
Edsomaは、子供たちに読み方を教えるための教育アプリケーションを開発しています。
同社のCEOであるKYLE WALLGRENは、コロナウイルスのパンデミックの際に、多くの子供たちが教育へのアクセスを失った状況を目の当たりにしました。
この経験から、再び同様の事態が発生した場合でも、全ての子供たちが教育を受けられようににしたいと思うようになりました。
Edsomaは音声認識AIを活用し、子供たちの学習状況を、教師や保護者がリモートでモニタリングできるアプリケーションです。
さらに、リモートから保護者が子供たちと一緒に本を読むことができる機能も提供しています。
シャックがEdsomaに投資した理由
EdsomaのCEOであるKYLE WALLGRENがシャックのオフィスを訪れ、Edsomaのプレゼンテーションを行いました。
その際、KYLEは子供の教育の重要性について情熱的に語りました。その熱意に触発され、Edsomaの製品が子供たちの未来を変える可能性を直感的に感じたそうです。
KYLEが、資金調達や利益など、金銭的な側面については一切触れず、純粋に教育に焦点を当てて語っていたことがシャックにとっては好印象だったようです。
シャックは、この対談の中で、投資家に一番必要なものは情熱であると述べています。
シャックが教育を重要と考える理由
シャックは、対談の中で教育の重要性について以下のように語っています。
・79%のアスリートは金融リテラシーが不足しており、引退後の収入がゼロになり、わずか5年以内に破産するという統計がある。
・教育とリテラシーは、貧困から脱出する重要な鍵である。
また、彼自身も現役のNBAプレイヤーであった2005年に、フェニックス大学でMBAを取得しています。
このMBAの取得に関して、シャックは通信講座ではなく対面授業のコースを希望していました。
しかし、開校には15人の受講生が必要であったため、当初受講は難しいと大学側から伝えられました。
そこで、シャックは対面授業のコースを受講するため、友人を15人集めて全員の学費を負担し、対面授業コースを開校させたとのこと。
元NBAスタープレイヤーならではの、豪快かつ、シャックが教育を重要視していることがわかるエピソードです。
Googleへの投資について
シャックは、GoogleのシリーズAラウンドに投資したことでも知られています。
彼は、Googleのインターネット検索エンジンが将来性を持つと感じ、投資を行いました。
しかし、数年後、彼は自分がGoogleに投資していたことをすっかり忘れていました。
ある日、新聞でシャックがGoogleへの投資で巨額のキャピタルゲインを得ていることが報じられ、それによって気付いたそうです。
しかし、残念ながら、Googleの投資で得た利益は全て離婚の際に失われてしまったとのことでした。
まとめ
シャキール・オニールはNBAプレイヤーとして、その圧倒的なパワーと壮大なプレイで多くのファンに深い印象を与えました。
Disrupt 2023では、彼のもう一つの顔、投資家としての一面を垣間見ることができました。
シャックは「人々の生活を変えるものに投資せよ」という、彼が投資において重要視する観点を共有しました。
この哲学は、彼がジェフ・ベゾスから影響を受けている点が述べられました。
シャックの投資するEdsoma社やEdtech業界が今後どのように発展していくかには大きな期待が寄せられています。
彼のビジョンと経験が、教育分野にどのような変化を及ぼすのか、今後も注目が必要です。